映画 『ルルドの泉で』感想 ~幸せがやってきたとして (ネタバレあり)
静かで淡々な映画、ちょっと退屈かなと思って観ていたけど、何度も思いだして考えてしまう作品だった。
あらすじは、
フランスのカトリックの巡礼地、ルルドの泉(実際にある)。簡単に言ってしまうと願いを叶えてくれくれると名高い場所。そこに、足の悪い主人公がツアーで祈りにいく。で、足が治ってしまう。
最初は、やった治った♪ ちょっといい感じの男の人もできたりして、楽しい日々。でもだんだん雲行きが怪しくなってくる。なぜかと言うと、彼女はルルドの泉に行ったのは初めて。でもツアーの中にはもう何年も祈りにきていたり、もっと深刻なお願いをしている人もいる。なのでまわりからの「なんであの子が?」に耐えられなくなってくる。
ラストは、主人公が歩くのをやめて、椅子に座る。
せっかく叶った願いを手放したのかのような、曖昧なラストシーン。
人は、大きな幸運や成功を手にした人に、相応の努力や苦労があると納得する。自分に対しても同じなんだろうか。
願いごと、願いが本当に叶うこと、叶ったら幸せなのか、その願いを受けいれられる自分なのか。
そんなことを、あれやこれや後からも考えてしまうのが楽しい作品でした。